イゼット団なデッキ 第1回 --その1
2006年2月1日 スタンダード
さてさて。それでは、予告どおりカウンターバーンについて語ったっていきましょう。
●《メロク》の落日
ギルドパクトが入って、相対的に《メロク》が弱くなりました。《炎樹族のシャーマン》が起動型能力を締め付けている、というのもあるんですが、《メロク》というカードの性質そのものがステロイドにあまり強くないのです。確かに《メロク》の能力は攻防一体です。しかし、その“防”の部分が発揮できるのは下記の2種類に対してです。
?攻め手の数は多いけどタフネスが低い場合
?攻め手のタフネスは高いけど数が少ない場合
そう?は白ウィニー系、?はけちなどのデッキですね。これらが跳梁跋扈してた環境だからこそ、《メロク》は鉄壁に見えてました。しかし、ギルドパクトの登場とともにステロイドが反撃の狼煙を上げました。ご存知のように、ステロイドの打撃は『攻め手の数が多くてタフネスが高い』という特徴があります。すなわち、《メロク》のトークンはもはや防御として用を成さなくなってしまうのです。よって、青いデッキは新たなフィニッシャーを求める時期となったのです。
●《ニヴ=ミゼット》論
そもそも、青系のデッキにとって「強いフィニッシャー」とはどのようなものでしょう? 僕は、下記の2つを満たしているものだと考えます。
たとえば、《玉虫色の天使》などは無敵のブロッカー性能を誇りますが、だからと言って単体では相手の生物に干渉できるわけではなく、結局ブロッカーとしてもじもじしてしまいます。これが《変異種》だったら、アンタップ能力がついているので相手生物を牽制しつつ安心してアタックできます。これが“制圧力がある”ということです。
さて、やっと本題に入れました。《ニヴ=ミゼット》です。この《ミゼット》さん、殴りに行かなくても毎ターン《火》が撃てて、《ジェイムデー秘本》のおまけ付きなんですから制圧力としては相当なものです。しかも、ドロースペルが大量破壊に早変わり! 出して生き残りさえすればもはや負ける気がしません。神河ブロックの伝説の土地との相性も良く、《御心》や《真火》とのシナジィ、そして何より《水面院》とのコンボが素敵です。
問題はその死に易さ、タフネス4という箇所でしょうか。《黒焦げ》で堕ちる、はスタンダード環境を考える上で無視できない問題です。しかし、そんなんゆったら《メロク》だって同じですし、むしろ《信仰の足枷》を貼られても誘発型能力が健在なところは評価すべきです。そもそも《化膿》と《屈辱》の存在するこの環境では、死なないフィニッシャーなんてそうは居ません。ならばこそ、高い制圧力を評価して《ニヴ=ミゼット》を新たなフィニッシャーに迎え入れてみたいと思います。
●《メロク》の落日
ギルドパクトが入って、相対的に《メロク》が弱くなりました。《炎樹族のシャーマン》が起動型能力を締め付けている、というのもあるんですが、《メロク》というカードの性質そのものがステロイドにあまり強くないのです。確かに《メロク》の能力は攻防一体です。しかし、その“防”の部分が発揮できるのは下記の2種類に対してです。
?攻め手の数は多いけどタフネスが低い場合
?攻め手のタフネスは高いけど数が少ない場合
そう?は白ウィニー系、?はけちなどのデッキですね。これらが跳梁跋扈してた環境だからこそ、《メロク》は鉄壁に見えてました。しかし、ギルドパクトの登場とともにステロイドが反撃の狼煙を上げました。ご存知のように、ステロイドの打撃は『攻め手の数が多くてタフネスが高い』という特徴があります。すなわち、《メロク》のトークンはもはや防御として用を成さなくなってしまうのです。よって、青いデッキは新たなフィニッシャーを求める時期となったのです。
●《ニヴ=ミゼット》論
そもそも、青系のデッキにとって「強いフィニッシャー」とはどのようなものでしょう? 僕は、下記の2つを満たしているものだと考えます。
・死ににくい前者の死ににくいってはわかり易いですね。カウンターは有限なのですから、フィニッシャーはカウンターで守る必要性の薄いものがいいです。では「制圧力がある」とはどうゆうことでしょうか。実は先ほどの《メロク》のところで半分くらい答えを言ってしまいました。すなわち“攻防一体”というか、攻めに転じやすいクリーチャーだということです。
・制圧力がある
たとえば、《玉虫色の天使》などは無敵のブロッカー性能を誇りますが、だからと言って単体では相手の生物に干渉できるわけではなく、結局ブロッカーとしてもじもじしてしまいます。これが《変異種》だったら、アンタップ能力がついているので相手生物を牽制しつつ安心してアタックできます。これが“制圧力がある”ということです。
さて、やっと本題に入れました。《ニヴ=ミゼット》です。この《ミゼット》さん、殴りに行かなくても毎ターン《火》が撃てて、《ジェイムデー秘本》のおまけ付きなんですから制圧力としては相当なものです。しかも、ドロースペルが大量破壊に早変わり! 出して生き残りさえすればもはや負ける気がしません。神河ブロックの伝説の土地との相性も良く、《御心》や《真火》とのシナジィ、そして何より《水面院》とのコンボが素敵です。
問題はその死に易さ、タフネス4という箇所でしょうか。《黒焦げ》で堕ちる、はスタンダード環境を考える上で無視できない問題です。しかし、そんなんゆったら《メロク》だって同じですし、むしろ《信仰の足枷》を貼られても誘発型能力が健在なところは評価すべきです。そもそも《化膿》と《屈辱》の存在するこの環境では、死なないフィニッシャーなんてそうは居ません。ならばこそ、高い制圧力を評価して《ニヴ=ミゼット》を新たなフィニッシャーに迎え入れてみたいと思います。
イゼット団なデッキ 第1回 --その2
2006年2月1日 スタンダード
●サンプルデッキその1
というわけで、ギルドパクトのリストを眺めながら使いたいカードをピックアップし、既存の青黒コンをベースに赤いカードを置き換える感じで組んでみました。試作1号機です。
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青赤カウンターバーン
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クリーチャー7
4《呪師の弟子/Jushi Apprentice》
3《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》
スペル28
4《マナ漏出/Mana Leak》
3《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》
4《邪魔/Hinder》
2《巻き直し/Rewind》
4《紅蓮地獄/Pyroclasm》
4《電解/Electrolyze》
2《火想者の発動/Invoke the Firemind》
3《撤廃/Repeal》
2《真髄の針/Pithing Needle》
土地25
1《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
9《島/Island》
4《山/Mountain》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それでまぁ、やってみりゃ分かるんですが恥辱的なまでに弱いんです、これがまた。
まず、ですね、《呪師の弟子》が良くないです。出してる暇も、能力起動してる暇もないです。赤いデッキ相手にはあっという間に除去られますし、《スカルグ》の存在がチャンプブロッカーとしてすら許してくれません。実は、この生物は基本ターンが3〜4ターン目以降の環境でのみ輝く存在だったのです。この落ちぶれっぷりはアレです。昔、《泥棒カササギ》がメタの変遷とともに環境から追放されましたが、それを髣髴とさせてくれました。今の環境ではもはやメインには入れたくないレベル、そういう風に評価しました。
そして、もう1つ学習したことが2点以下の火力は“除去”じゃないということです。《紅蓮地獄》じゃ《密林の猿人》すら焼けないという驚愕の事実、まったくもって環境に噛み合ってないと感じました。《電解》も然りです。これが4マナ3点だったらなーと心の底から思いました。
さて、というわけでこのデッキでは《ニヴ=ミゼット》を出すまで生き延びられないという結論に達しました。
というわけで、ギルドパクトのリストを眺めながら使いたいカードをピックアップし、既存の青黒コンをベースに赤いカードを置き換える感じで組んでみました。試作1号機です。
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青赤カウンターバーン
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クリーチャー7
4《呪師の弟子/Jushi Apprentice》
3《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》
スペル28
4《マナ漏出/Mana Leak》
3《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》
4《邪魔/Hinder》
2《巻き直し/Rewind》
4《紅蓮地獄/Pyroclasm》
4《電解/Electrolyze》
2《火想者の発動/Invoke the Firemind》
3《撤廃/Repeal》
2《真髄の針/Pithing Needle》
土地25
1《海の中心、御心/Mikokoro, Center of the Sea》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
1《雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds》
1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
9《島/Island》
4《山/Mountain》
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《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》(カード名のリンク先にWisdom Guild様を使わせて頂きました)
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537123/
《電解/Electrolyze》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537111/
《火想者の発動/Invoke the Firemind》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537118/
《撤廃/Repeal》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537032/
《蒸気孔/Steam Vents》
http://whisper.wisdom-guild.net/card/537164/
それでまぁ、やってみりゃ分かるんですが恥辱的なまでに弱いんです、これがまた。
まず、ですね、《呪師の弟子》が良くないです。出してる暇も、能力起動してる暇もないです。赤いデッキ相手にはあっという間に除去られますし、《スカルグ》の存在がチャンプブロッカーとしてすら許してくれません。実は、この生物は基本ターンが3〜4ターン目以降の環境でのみ輝く存在だったのです。この落ちぶれっぷりはアレです。昔、《泥棒カササギ》がメタの変遷とともに環境から追放されましたが、それを髣髴とさせてくれました。今の環境ではもはやメインには入れたくないレベル、そういう風に評価しました。
そして、もう1つ学習したことが2点以下の火力は“除去”じゃないということです。《紅蓮地獄》じゃ《密林の猿人》すら焼けないという驚愕の事実、まったくもって環境に噛み合ってないと感じました。《電解》も然りです。これが4マナ3点だったらなーと心の底から思いました。
さて、というわけでこのデッキでは《ニヴ=ミゼット》を出すまで生き延びられないという結論に達しました。
イゼット団なデッキ 第1回 --その3
2006年2月1日 スタンダード
●サンプルデッキその2
かるくカウンターバーン不信に陥っていたのですが、そんなとき密費でさんの日記で《ニヴ=ミゼット》と《独楽》のシナジィを知りました。
《独楽》のシャッフル用に《旅行者の凧》を入れ、心もちキャントリップを増やし、《独楽》と《凧》の両方と噛み合う《交易路》を採用してみました。試作1号機の反省から、火力は3点な《火山の鎚》を採用、《電解》を生かすために《流砂》なども入れてみたり、と学習効果もバッチリです。よっしゃ、これでどーだ、という試作2号機が出来上がりました。
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独楽カウンターバーン
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クリーチャー3
3《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》
スペル31
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《差し戻し/Remand》
4《邪魔/Hinder》
3《ブーメラン/Boomerang》
4《火山の鎚/Volcanic Hammer》
3《電解/Electrolyze》
2《真髄の針/Pithing Needle》
3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
2《旅行者の凧/Journeyer’s Kite》
2《交易路/Trade Routes》
土地26
4《流砂/Quicksand》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
9《島/Island》
3《山/Mountain》
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そしてまた、現実を思い知るわけです。じぇんじぇん勝てないんです、残念ながら。
なんつーかですね、シャッフル手段のないデッキに《独楽》っていうのが、僕の構築力ではどう組んでも強く思えませんでした。いや、きっともっと強い人が組めば《ニヴ=ミゼット》と《独楽》コンボは生きるんでしょうが、このデッキではまるで駄目でした。しかし、収穫はありました。それが、上述の理由で入れちゃった《交易路》です。エンド前に自分の好きなだけドローを繰り返せるんですから、《ニヴ=ミゼット》との相性たるやまさに完璧。マリアージュとでも言うべきシナジィです。
あーそうそう、《火山の鎚》ってのはカウンターバーンには合わなかったです。2ターン目にタップアウトで撃つのはたいそう危険な環境なので、結局撃つのは4ターン目になってしまいます。それだったら、3マナでもいいのでインスタントな《山伏の炎》の方がマシでした。
というわけで、これらを踏まえたカウンターバーンについて明日の日記に書いてみたいと思います。
かるくカウンターバーン不信に陥っていたのですが、そんなとき密費でさんの日記で《ニヴ=ミゼット》と《独楽》のシナジィを知りました。
灰色熊は最高^^;構築屋ってのは、こうゆう面白いトリックを知ってしまうと、デッキを組まずに入られなくなるものです。
http://diarynote.jp/d/52378/20060126/
《独楽》のシャッフル用に《旅行者の凧》を入れ、心もちキャントリップを増やし、《独楽》と《凧》の両方と噛み合う《交易路》を採用してみました。試作1号機の反省から、火力は3点な《火山の鎚》を採用、《電解》を生かすために《流砂》なども入れてみたり、と学習効果もバッチリです。よっしゃ、これでどーだ、という試作2号機が出来上がりました。
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独楽カウンターバーン
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クリーチャー3
3《火想者ニヴ=ミゼット/ Niv-Mizzet, the Firemind》
スペル31
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《差し戻し/Remand》
4《邪魔/Hinder》
3《ブーメラン/Boomerang》
4《火山の鎚/Volcanic Hammer》
3《電解/Electrolyze》
2《真髄の針/Pithing Needle》
3《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
2《旅行者の凧/Journeyer’s Kite》
2《交易路/Trade Routes》
土地26
4《流砂/Quicksand》
1《水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge》
1《血に染まりし城砦、真火/Shinka, the Bloodsoaked Keep》
4《蒸気孔/Steam Vents》
4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
9《島/Island》
3《山/Mountain》
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そしてまた、現実を思い知るわけです。じぇんじぇん勝てないんです、残念ながら。
なんつーかですね、シャッフル手段のないデッキに《独楽》っていうのが、僕の構築力ではどう組んでも強く思えませんでした。いや、きっともっと強い人が組めば《ニヴ=ミゼット》と《独楽》コンボは生きるんでしょうが、このデッキではまるで駄目でした。しかし、収穫はありました。それが、上述の理由で入れちゃった《交易路》です。エンド前に自分の好きなだけドローを繰り返せるんですから、《ニヴ=ミゼット》との相性たるやまさに完璧。マリアージュとでも言うべきシナジィです。
あーそうそう、《火山の鎚》ってのはカウンターバーンには合わなかったです。2ターン目にタップアウトで撃つのはたいそう危険な環境なので、結局撃つのは4ターン目になってしまいます。それだったら、3マナでもいいのでインスタントな《山伏の炎》の方がマシでした。
というわけで、これらを踏まえたカウンターバーンについて明日の日記に書いてみたいと思います。