白緑ジャンク その?
2007年1月8日 スタンダード コメント (11)1月7日の日記↓の続きです
白緑ジャンク その?
http://diarynote.jp/d/60094/20070107.html
「マッチアップ分析」
さてさて。じゃあ、最後に、マッチアップ分析を書いていこう。っつっても、ただ書くだけじゃ能が無いので、そのマッチアップでキーとなるカードを“キープ基準”って形でまとめて、マリガンの判断基準を設けてみた。最低でもどれか1種含む初手をキープって感じかな。あと、需要の高いサイドボーディングも載せとく。
☆対イゼットロン
すごく有利なマッチアップ。
白緑ジャンクはテンポよく序盤に複数アクションを展開できるので、相手のカウンターをかいくぐり易い。しかも、通ってしまった生物は火力で除去され難いサイズを持っている。だいたい序盤の大量リードで押し切れるけど、ゲームが長引いてしまった場合でも《時間の孤立》で《ヘルカイト》を捌いたり、《スカルガンの穴潜み》と《岩石樹》のコンボを決めたりと、勝ちパターンが途切れない。
キープ基準
《サバンナ・ライオン》、《番狼》、《岩石樹の祈り》
序盤にクロックを刻めるカードが優先度が高い。あと、《狩りの興奮》なんかも渋く刺さったりする。
サイドボーディング
IN: 岩石樹×1、クローサの掌握×3、ヴィトゥ=ガジー×2、名誉の道行き×3
OUT: 投槍兵×4、グリフィン×4、時間の孤立×1
サイド後はリアクティブなスペルが増えるわけで、手札滞在時間の長いカードはなるべく減らしたい。なので、《撤廃》をケアする必要があり使いどころが限られる《グリフィン》をサイドアウトし、《時間の孤立》も1枚減らす。ただ、この部分は《クローサの掌握》を2枚のみインで、《時間の孤立》サイドアウトしないって手もある。先手なら前者、後手なら後者って感じかも。
☆対青白トロン・太陽拳
実はそれほど相性の悪くないマッチアップ。むしろ、対太陽拳に関しては、やや有利くらい。
相手の除去は《糾弾》・《信仰の足枷》・《神の怒り》などパターンが決まっているので、それぞれをケアした展開を心がけるべし。特に《グリフィン》の使いどころがポイントで、的確にプレイングできれぱかなりの効果を発揮する。生物の弾幕の厚さでジリジリと押してくゲーム展開になるので、相手が対応しきれないっちゅーパターンで押し切ることが多い。ただし、ナシフ型のトロン(《砂の殉教者》入りのアレ)だけは、天中殺的な相性の悪さなので、当たったら諦めるべし。
キープ基準
《サバンナ・ライオン》、《サッフィー・エリクスドッター》、《岩石樹の祈り》
このマッチアップも序盤のクロックが重要。相手は《神の怒り》で一回リセットすることを前提としてるので、《サッフィー》の重要度はかなり高い。
サイドボーディング
IN: 岩石樹×1、クローサの掌握×3、ヴィトゥ=ガジー×2
OUT: 投槍兵×2、狩りの興奮×4
相手の除去とこっちの生物の数の勝負になるので、《投槍兵》よりは《狩りの興奮》の方が重要度が低い。
☆対ドラゴンストーム
メインではかなり辛い。
相手に干渉できるスペルが《時間の孤立》しかない上に、ライフを削りきるのに5ターン以上要するので、スピード勝負になると捲くられることが多い。当然、先手か後手かで勝率が違うが、後手だとかなり絶望的だ。スコット・ジョーンズの記事(*2)で述べられてるように、テンポの観点から見ると、生物で殴るってのは火力より1ターン遅いわけだ。つまり、ボロスでドラゴンストームを相手するよりも、白緑ジャンクでドラゴンストームを相手する方が、キツイ。特にドラゴンストームの基本ターンである4ターン目前後でその差が顕著になっちゃうね。
(*2)http://mtg.takaratomy.co.jp/others/column/kamio/20060608/index.html
キープ基準
《サバンナ・ライオン》、《番狼》、《時間の孤立》
まぁ、先手とってブン回れるって手札なら多少夢を見れる。
サイドボーディング
IN: 発光×3、名誉の道行き×3、クローサの掌握×3
OUT: 投槍兵×4、グリフィン×4、狩りの興奮×1
サイド後は、だいぶマシになる。クロックを展開したら、あとはリアクションスペルを抱えてればいい。Who’s The Beatdownで言えば、4ターン目以降はこっちが“コントロール”になるわけで、タップアウトしてまで無駄な生物の展開は控えるべき。あと、リアクティブに動く意味でも、マナがキツキツな状態だと辛い。土地の伸びが足りなさそうな手札はマリガンの対象になる。
☆対青黒ワーフォ=タパ
有利なマッチアップ。
基本的に、対トロンに準じるわけだけど、トロンと違って相手は常に受けに回ってくれるわけだから、一方的に攻めやすい。《神秘の指導》でサーチする暇も与えないまま、殴りきることもしばしば。
キープ基準
《サバンナ・ライオン》、《番狼》、《岩石樹の祈り》
再三になるけど、序盤のクロックが重要。
サイドボーディング
IN: 岩石樹×1、ヴィトゥ=ガジー×2
OUT: 投槍兵×2、時間の孤立×1
相手は《ガジー》に触れられないので、一応インしておく。
☆対ボロス
有利なマッチアップ。
生物のサイズで勝るので、ダメージレースで優位に立ちやすい。相手の除去を跳ね除ける《狩りの興奮》、有利を固定する《グリフィン》などで後押ししてやれば、横綱相撲で押し切れる。ただし、火力の射程圏内までライフが落ち込むと対処が取れないので、ある程度ブロッカーを立てて殴り合いをすべし。相手の《稲妻のらせん》は、勘定に入れとかないと、ダメージレースを捲くられてしまう。
キープ基準
《アイケイシアの投槍兵》、《番狼》、《狩りの興奮》
1ターン目に《投槍兵》を展開すると、相手はこれに対処しなきゃいけないわけで、テンポで優位に立ちやすい。あと、序盤に《狩りの興奮》を引いてる場合、マナを残して展開するか否か、テンポとアドバンテージのバランスが問われる。
サイドボーディング
IN: 鋸歯の矢×3、名誉の道行き(後手なら発光)×3
OUT: 岩石樹×3、時間の孤立×3
とにかくテンポゲーになるので、《岩石樹》にしろ《時間の孤立》にしろ撃ってる暇が無い。よってサイドアウト。後手の場合、《名誉の道行き》すら重く感じるので、《発光》の方が強い。
☆対グルール
やや有利なマッチアップ。
相手の生物とこっちの生物は一見、同サイズに見えるけど、基本的に白緑ジャンクの生物の方が優秀。相手が《密林の猿人》や《瘡蓋族のやっかい者》や《ブリキ通りの悪党》など条件付な生物を抱えるのに対し、こっちは素でサイズがあって序盤は優位に立ちやすい。ただし、中盤以降は膠着するので《グリフィン》の使いどころがポイントになる。
キープ基準
《番狼》、《獣群の呼び声》、《狩りの興奮》
サイズ負けしないカードが重要度が高い。
サイドボーディング
IN: 名誉の道行き×3、発光×3
OUT: 岩石樹×3、時間の孤立×3
相手の生物は殆ど赤いので、《発光》や《名誉の道行き》はダメージレースを有利にしてくれる。サイド後のマナ域がおしなべて軽くなるけど、リアクティブに動くのでマナが余ってること自体はそんなに気にならない。あ、あと《時間の孤立》アウトについては賛否両論あるかな。確かに、ダメージスタック後にコンバットトリックとして使ったり、《巻物の大魔術師》を封殺してくれたりと、活躍はする。でも、テンポ的に付ける暇なかったり、《赤ルサルカ》で無駄カード化したりと、駄目な瞬間も多い。
まぁ、《狩りの興奮》と《発光》で《グリフィン》の装着をバックアップして、タイトなダメージレースを《名誉の道行き》で捲くるって展開になるはずなので、サイド後は白緑ジャンク有利かな。
☆対オルゾフビート
不利なマッチアップ。
生物のサイズでは勝ってるんだけど、相手の除去は刺さり易いし、そもそも《幽霊議員》が出てくるとサイズ差を捲くられる。テンポで押して、《ボブ》で死んでもらうってのが勝ちパターン。
キープ基準
《セラの報復者》、《獣群の呼び声》、《グリフィンの導き》
飛んでて、アドバンテージを稼げるカードが多少なりとも抵抗手段になる。
サイドボーディング
IN: 鋸歯の矢×3
OUT: 岩石樹×3
このマッチアップでは、有効なサイドインがこれくらいしかない。ただ、《鋸歯の矢》自体は凄く刺さるので、まぁ。
☆対セレズニア
個人的には、やや有利だと思ってるマッチアップ。最低でも五分五分くらい。不利ってことは無い。
一般的に、セレズニアはビートダウン全般に有利だと思われてるけど、対白緑ジャンクについてはテンポについていけないことが多い。序盤、相手が《セレズニアの聖域》や《セロン教の隠遁者》なんかでモタついてる隙に、《狩りの興奮》をちらつかせながら殴りに行くって展開になる。マルカは鈍重なので、マッドネスに弱いってゆう感覚に似ている。《制圧の輝き》は確かにきついけど、トークンとセットで揃うってほど悠長な展開にはならない。相手の生物数を上回る生物を展開して、《制圧の輝き》の上から圧殺できることが多い。また、メインでは《岩石樹》で《制圧の輝き》を1回無効化できるので、《スカルガンの穴潜み》で押し込んだりもできる。《ロクソドンの教主》も何とかなるってのは、前述のとおり。
キープ基準
《アイケイシアの投槍兵》、《セラの報復者》、《グリフィンの導き》
相手のマナ生物を潰すのが、テンポを崩す第一歩。よって《投槍兵》の重要度はとても高い。あと飛行は基本的に止まらないので、上から殴るってのがよく効く。
サイドボーディング
IN: 鋸歯の矢×3、クローサの掌握×2
OUT: 岩石樹×3、ライオン×2
《岩石樹》は《制圧の輝き》対策にはなるけど、同様のことは《鋸歯の矢》にも言えるので、サイドで取り替える。あと、《クローサの掌握》は対《制圧の輝き》専用なので、3枚は入れたくない。テンポで押し切るに当たって、無駄カードってのはあまり許容したくないからだ。
マッチアップ分析は以上だ。お気づきだと思うけど、イゼットロンとボロス両方に強いっていう、環境でも希少なデッキタイプなわけだ。メタ的な意味でも、多少存在価値があるわけだね。
「最後に」
こんなマニアックなデッキの解説を最後まで読んでくれてありがとう。最後に、ホントにマニアックな小技を紹介しよう。場が膠着して残り数点が削れないって時に思い出して欲しいテクだ。
まず、自分の《サッフィー》に自分で《時間の孤立》をつける(相手がタップアウトしたターンのエンドがベスト)。《岩石樹》でダメージ上載せたりとか、多少応用が利く。まぁ、こんな小技を知ってたところで使える状況はあまり無いけど、こういう小技の引き出しをたくさん持ってるってのが接触戦闘技術に深さを与えてくれるわけだ。ビートダウンてのは、やってることはシンプルだけど、プレイングは“簡単”なわけじゃない。やることが限られてる分、ミスを許容されないし、高い技術を要するんだ。
↓
《サッフィー》でアタック。
↓
《時間の孤立》によってシャドーを得たので、ブロックされない。
↓
じゃあ、ダメージがスタックした後、《サッフィー》を生け贄にささげる。
↓
ダメージの解決時に《時間の孤立》が存在しないので、《サッフィー》のパワー分ダメージが入る。
てなわけで、殴ることしかできないこの白緑ジャンク。接触戦闘技術を磨くツールにもなる。意外と良いデッキなので、お気に召したなら手に取って回してみて下さい。
でわでわ。